カナダでクレジットカードを作るには|駐在員が実体験で紹介する作り方とおすすめ4枚
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カナダのクレジットカード事情
カナダでは成人の約83%が1枚以上のクレジットカードを保有しており、決済金額に占める現金以外の手段は85%に上ります。日本のキャッシュレス決済比率は約43%ですので、カナダでのクレジットカード普及率は日本に比べて大幅に高いと言えます。
| 国 | 現金割合 | キャッシュレス割合 | 備考 | データソース |
|---|---|---|---|---|
| カナダ | 約15% | 約85% | クレジットカード中心、駐在員生活に必須 | Payments Canada 2024 |
| 日本 | 約57% | 約43% | 現金文化が根強いが、キャッシュレス拡大中 | 経済産業省 2024 |
クレジットカードのメリット
カナダのクレジットカードは日本同様に入会時特典やポイント還元、旅行保険などの特典が充実しており、クレジットカードを使うメリットは非常に大きいです。ただし、アメリカほどの高還元率や豪華特典は少なく、「日本以上、アメリカ未満」という位置づけかもしれません。
駐在員の場合、自身のカードで決済して会社に費用請求する項目も多く、クレジットカード決済金額が大きくなる傾向があります。
- 出張費
- 交通費
- 会食費
- 一時帰国費用(駐在員特有)
- 各種保険料(駐在員特有)
- 家賃(駐在員特有、ただしクレジットカードでの支払いは出来ない場合も多い)
これらを合計すると年間の決済額は数万ドルになるのが通常だと思います。例えば 年間5万ドルを3%還元で決済すれば、年間1,500ドルのリターンになります。還元率1%の差で年間500ドルの差になりますから、クレジットカードはよく考えて選びたいものです。
クレジットスコアとは
クレジットカード取得の前提となり、取得に必須であるのがクレジットスコアです。これは「個人の信用履歴」を示すもので、カード利用・返済、ローン、公共料金支払いなどの記録が信用情報機関に蓄積され数値化されたものです。クレジットカードを申し込むと、クレジットカード会社は信用情報機関に申込者のクレジットスコアを問い合わせ、その内容をクレジットカード作成可否の判断に使います。
- カナダでは Equifax と TransUnion の2大信用情報機関が管理しています(いずれも営利団体)。
- 日本では CIC(指定信用情報機関)、JICC(日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センターの3機関が存在します。
- カナダ、日本の信用情報機関は完全に独立しており、国際的な連携はありません。
駐在員がカードを作る方法は限られる
駐在員は赴任当初「信用履歴ゼロ」、つまり学校を卒業したての新入社員が初めてクレジットカードを作るのと変わらない状態からスタートします。これは想定以上に影響が大きく、年収が30万ドルあっても普通に申請が却下されます。私のクレジットカード申し込みと審査結果の履歴を[こちら]に公開していますのでご参考になさってください。何れにしても、駐在員がクレジットカードを作る方法は以下1〜3に限定されます。
1. 銀行口座開設時の移住者向けプラン
- 一つ目は、銀行口座開設時にパッケージでクレジットカードを作る方法です。
- 駐在員は、RBC, TD, Scotiabank, BMO, CIBCのカナダの主要銀行Big5で銀行口座を開設することになると思います。
- その際、移住者向けプラン(Newcomerプログラム)で申し込むことが出来、クレジットスコアが無くても同時にクレジットカードを作ることが出来ます。
- 但し作れるクレジットカードは限られており、還元率や上限金額は低く、条件は悪いです。私の場合、最初に作ったTDのクレジットカードは還元率は0.5%、上限金額は1,500ドルでした。
参考記事:
2. American Express(AMEX)グローバルトランスファー
- 二つ目は、駐在員が必ずやるべきと言えるAmerican Express(AMEX)の「グローバルトランスファー」です。
- これは日本でのAmerican Express(AMEX)の会員資格をカナダに移行でき、クレジットスコアに無関係で、十分な上限を持ち、還元率の高いクレジットカードを作ることが出来る仕組みです。
- 駐在前にAmerican Express(AMEX)ユーザーでない方は、赴任前に日本でAmerican Express(AMEX)を作る必要があること、最初の一枚に限られること、カナダでもAmerican Express(AMEX)は使えない店舗が一部ある点などには注意が必要ですが、駐在中の主力となるメインクレジットカードを作る最も有効な方法と言えます。
私がグローバルトランスファーを使って一枚目に作ったのは「Marriott Bonvoy American Express Card」です。これは今振り返っても大正解で、年会費を超える保有メリットがあるため、「American Express Gold Rewards Card」にメインカードが変わった後も年会費を払いながら継続していますし、日本帰国後も解約しない予定です。
参考記事:
3. クレジットヒストリー構築後に申込
三つ目は、駐在開始後少なくとも3か月程度クレジットヒストリーを積み、一定のクレジットスコアを得てから、徐々に上述1、2以外のクレジットカードに申し込み、審査を受ける方法です。例えば、
- 赴任後3ヶ月を目処に、 「PC World Elite Mastercard」或いは「Triangle World Elite Mastercard」等、比較的ハードルの低いクレジットカードを取得(何もガソリン価格メリット大)
- 赴任後3ヶ月を目処に、「American Express Aeroplan Card」(Air Canada提携カード)を取得し、Air Canadaの手荷物無料特典を確保しておくのもお勧め
- 赴任後6ヶ月を目処に、「American Express Gold Rewards Card」(旅行・外食特典が充実)等、一定のクレジットスコアが必要だが還元率・特典の大きいクレジットカードを取得
- 赴任後24ヶ月目を目処に 、「American Express The Platinum」(ラウンジ利用や高額特典が魅力)等、クレジットスコアのハードルは高いが、大きなメリットが得られるクレジットカードを取得
「1. 銀行口座開設時の移住者向けプラン」「2. American Express(AMEX)グローバルトランスファー」「3. クレジットヒストリー構築後に申込」は、それぞれメリット・デメリットがあるため、全てを組み合わせ、複数のクレジットカードを保持することが最適と言うのが、私が試行錯誤した結果の意見です。
1・2・3のメリット・デメリット比較表
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 1. 銀行口座開設時の移住者向けプラン座開設プラン | ・赴任直後から作れる ・多くの店舗で使えるVISA、Mastercardが作れる | ・還元率が低い ・利用限度額が小さく、生活費の全てをカバーすることは難しい |
| 2. American Express(AMEX)グローバルトランスファー | ・クレジットヒストリー不要 ・高還元率・十分な限度額 ・日本の会員資格を活用可能 | ・一枚のみ発行 ・AMEXは一部店舗で利用不可(特にカナダのCostcoはMastercardしか使えないことが痛手) |
| 3. クレジットヒストリー構築後に申込構築後申込 | ・AMEX/Visa/Mastercardなど選択肢が多い ・PC Master Card/Triangle Mastercardは自動車保有者にメリット大 ・AMEX Gold/Platinumで特典拡充が可能 | ・クレジットスコア構築に最低でも3か月必要。特にメリットの大きいクレジットカードは高いクレジットスコアが必要 ・当初は申込が制限される |
結論:お勧めのクレジットカード4枚
私はカナダ駐在は今回が初めてだった為失敗もあり、多くのクレジットカードを作ってしまいましたが、その経験も踏まえて、改めて一から作るなら、以下の4枚のクレジットカードにします。ご参考になさって下さい。詳細はそれぞれの記事をご参照ください。
赴任直後
- CIBC口座開設 +「CIBC Adapta™ Mastercard」:PC Mastercard 或いは Triangle Mastercard が作れるまで数ヶ月間 Costco で大活躍。また AMEX が届くまで数週間のメインカード
- 「Marriott Bonvoy American Express Card」:総合的なパフォーマンスが最も高い「駐在期間中のメインカード」
赴任後3ヶ月経過以降
- 赴任後4ヶ月目「PC World Elite Mastercard」或いは「Triangle World Elite Mastercard」:何もガソリン価格優遇が大きく、自動車保有者には特にお勧め。これを作った後はCIBC Adapta Mastercardは引退。
- [現在執筆中です。公開次第リンクを追加します]
- 赴任後4ヶ月目「American Express Aeroplan Card」:飛行機での旅行コストを大きく抑える
参考:万人にお勧めはしないが私の作ったクレジットカードのレビュー
- American Express Gold Rewards Card:[今後の記事で詳しく解説します]
- American Express The Platinum:[今後の記事で詳しく解説します]
- CIBC Costco Mastercard:[今後の記事で詳しく解説します]
参考:お勧めする理由が見つからないクレジットカード
- TD Cash Back Visa Card
- RBC Cash Back Mastercard
参考:カナダのCostcoとクレジットカード
一人暮らしで毎食外食するような特殊なケースを除けば、多くのカナダ駐在員は日常生活で Costco を活用しています(Costcoの活用術については別途記事を書く予定です)。カナダの Costco では、クレジットカードは Mastercard のみが利用可能で、American Express(AMEX)・Visaは残念ながら使えません。したがって、赴任後できるだけ早い段階で Mastercard を入手することが非常に望ましいです。
American Express(AMEX) には「グローバルトランスファー」という仕組みがあり、クレジットスコアがなくてもカードを作れる利点があります。しかし、Visa や Mastercard にはそのような仕組みが存在しません。結果として、駐在員が早期に Mastercard を取得する唯一の現実的な方法は、銀行の Newcomer プログラムを活用することになりますが、一部の銀行はMastercardが作れないので要注意です。
ここまでご覧いただきありがとうございました。今後とも Canada Expat Guide をよろしくお願いいたします。


