AMEX Global Transfer 徹底ガイド|カナダ駐在員が実体験で紹介する日本とカナダでやるべきこと

カナダ駐在員向けに、AMEXグローバルトランスファーを活用してクレジットカードを作るための実務的な流れをまとめたガイドです。日本で準備すべきアメリカン・エキスプレスカード、紹介プログラムの注意点、カナダ到着後の申請手順、審査条件、ポイント獲得の考え方、他の信用情報の引き継ぎ方法まで、実体験に基づいて分かりやすく整理しています。

American Express(AMEX)グローバルトランスファーとは何か

駐在時、多くの駐在員がまず困るのは「渡航直後に使える現地クレジットカードをすぐ用意できない」ことです。日本のクレジットカードを現地で使い続けると、全ての決済に為替手数料がかかり、為替リスクもあります。なるべく早く現地クレジットカードを取得することは駐在員にとって喫緊の課題です。一方、現地のクレジットヒストリーがない我々は、作れるクレジットカードが極めて限られます(この点は[こちらの記事]もご参考にされて下さい)。

  • そこで駐在員に必須なのが アメリカン・エキスプレス(アメックス)のグローバルトランスファー制度です。
  • これは、日本で既にアメックスを保有している会員が、その実績を活かして赴任先でも新しいクレジットカードを申し込める仕組みです。
  • 日本のクレジットヒストリーを申請時に参照できるため、渡航直後にAMEXを確保出来るという、非常に大きなメリットがあります。

グローバルトランスファーの基本的な流れ

🇯🇵日本で出国前にやること

  • 海外赴任が決まった時点でアメリカン・エキスプレス(アメックス)を持っていない方は、すぐに日本で作る必要があります。
  • カナダでのグローバルトランスファーの申請は、「日本でアメックスを作ってから3ヶ月が経過していること」が条件となっています。

🇨🇦カナダ到着後にやること

  • カナダ到着後、カナダのAmerican Express(AMEX)を申請します。
  • 詳しいやり方は後述しますが、申し込みの際、「Existing American Express Card Number (Optional)」の欄に、日本のアメックスのクレジットカード番号を入れることで、申請時に既存カードの実績が参照され、カナダの審査において有利に扱われます。

グローバルトランスファーの概要と基本的な流れは以上です。次に日本で出国前にやることを詳しく説明します。

American Express(AMEX)、アメリカン・エキスプレス(アメックス)の画像。カナダ駐在員のクレジットカード選びのイメージ。

既に日本でアメリカン・エキスプレス(アメックス)の会員であれば、基本的にこのステップは不要です。但し、ANAマイルを最大限貯めておく観点から、既存会員もANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードを新規に作る価値はあります。不要で本項はあれば読み飛ばして[American Express(AMEX)グローバルトランスファーを活用したカナダでのクレジットカードの申し込み〜カナダ到着後にやること〜]に進んでください。

注意点:既存会員とは、こちらの公式ページに掲載されている15種類のクレジットカードのうち、ビジネスカードを除く12種類のアメックスのいずれかの保持者です。セゾン・アメリカン・エキスプレスカード等は対象外です。ご注意ください。

駐在が決まったら速やかにアメリカン・エキスプレス(アメックス)を作ろう

  • カナダでのグローバルトランスファーの申請までに3か月以上のアメリカン・エキスプレス(アメックス)保有実績が必要になります。
  • 現在アメックスの会員でない方は、赴任が決まったらできるだけ早く日本のアメックスを申し込みましょう。
    • 通常、海外異動内示は3か月程度前に出ると思いますが、3ヶ月以内のタイミングで内示があった場合も、なるべく早く日本でアメックスを作ることで、カナダ到着後に早いタイミングで現地のAMEXを作れるようになります。

海外赴任になるようなキャリアを積んでおられて、日本で通常のクレジットヒストリーがある方は、アメックスの日本での発行は非常に速やかに進むはずです。私の場合はオンラインで申し込み、直後に申込完了メールを受領(午後2時20分)、その2分後に承認メールを受領(午後2時22分)しました。

日本ではどのアメリカン・エキスプレス(アメックス)に申し込むか

  • 私は、ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード を作りました。
  • 理由は明快で、赴任までの3か月間で 10万マイルを貯められたからです(私の実績は半年間で100,487マイル)。

ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードの年会費は34,100円で、決して安いとは言えず、私は1年で解約するつもりで申し込みました。グローバルトランスファーに加え、100,000マイルを34,100円で買うなら安いもの、という当時の判断でした。(私は結局、元々持っていたANAのVisaカードを一年後に解約し、ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは継続しています。ANAのステータス維持も目的です。)

ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードの概要

項目内容
年会費(本会員)34,100円(税込)
年会費(家族会員)17,050円(税込)/2枚目以降
入会プロモーション初年度条件達成で大量ポイント獲得(例:73,000 マイル。この点は後述します)
継続特典継続時:毎年2,000マイル
搭乗ボーナスマイルANA便搭乗時に通常マイル+25%加算
クレジットカード使用時の獲得マイル通常:100円=1ポイント(1マイル相当)
ANAグループ利用:ポイント2倍(100円=2マイル相当)

参考:駐在員にとってマイルの価値は大きい

  • 駐在員にとってマイルの価値は非常に大きいです。特典航空券としての利用はもちろんですが、駐在員ならではの使い方として、エコノミークラス航空券のビジネスクラスへのアップグレードも想定できます。
    • 同じエコノミークラスの中にも、キャンセル・日程変更可否などによって更に航空券のクラスが細分化されており、プライベートの旅行では通常一番安い航空券クラスを選ぶことになります。
    • しかし、この場合はビジネスクラスへのアップグレードは出来ませんので、折角マイルを持っていても、ビジネスクラスへのアップグレードの機会は少ないのが実態です。
    • 一方、海外赴任者の場合、会社負担の一時帰国の航空券は「エコノミー」とだけ規定している会社が多いと思います。中には明確に「変更可能な料金を含む」と規定されている会社もあります。
    • この「キャンセル・変更可能なエコノミークラス」の航空券と、ご自身のマイルを組み合わせれば、一時帰国時にビジネスクラスにアップグレードすることができます。
  • 赴任前に10万マイルを貯めておけば、カナダー日本約2往復分のビジネスクラスアップグレードが可能になります(ANA/JALはトロントー東京の直行便なし。NY或いはシカゴ経由の場合、NY/シカゴから東京までのANAのアップグレードは28,000マイル)。
  • 駐在前に積極的にマイルを貯めておくことは重要と言えるでしょう。

獲得マイルの最大化:ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードの紹介プログラムの活用

アメリカン・エキスプレス(アメックス)には、既存会員からの「紹介プログラム」があります。これを利用すると、通常申込よりも多くのマイルを獲得できます。

  • 通常申込:ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードを作ると合計68,000マイル獲得可能。(2024年12月時点。「ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」で検索して公式ページでご確認ください。)
  • 紹介申込:既存会員からの紹介で合計73,000マイル獲得可能。(2024年12月時点。)

通常申込・紹介申込のいずれも、「3ヶ月以内に合計180万円以上のご利用」が条件です。一見ハードルが高いですが、赴任前後の出費は、会社に経費として請求するものも含めて、想定以上に多いです。
出国前に日本でしか変えないものを大量に買い込むのはもちろんですが、赴任後当面の宿泊費や、家族呼び寄せのための一時帰国のフライトなどもあり得ます。
私の場合は180万円どころか、赴任前3ヶ月・赴任後3ヶ月で300万円に達し、この間に獲得したマイルは100,487マイル、ついでにANAスカイコイン10,000コインも貰いました(スカイコインボーナスの詳細は[こちらの公式ページ]でご確認ください)。

紹介プログラムの注意点

  • 紹介プログラムは、指定の紹介URLから申し込む必要がありますが、アメックスの規約により不特定多数が閲覧可能な環境で紹介URLを公開することは禁止されています。ご家族・ご友人で既にANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードをお持ちの方がおられましたら、お願いしてみると良いです。
  • 同じカナダ駐在員としての関係性を踏まえ、駐在生活での情報提供や助け合いの一環として、当サイトからの紹介も可能です。以下のフォームにメールアドレスを入力してください。個別に紹介URLをお送りします。入力いただいたメールアドレスは紹介URLの送付以外には使用しません。また個人情報保護の観点から、月に一度送受信メールボックスを全削除しています。



    以上がグローバルトランスファーの日本で出国前にやることでした。次にカナダ到着後にやることを詳しく説明します。

    ANAの飛行機の画像。カナダ駐在員にとって重要なマイルのイメージ。

    赴任後、日本でアメリカン・エキスプレス(アメックス)を取得してから3ヶ月以上が経過し、カナダで必要書類が揃えば、いよいよグローバルトランスファーを活用してカナダでAmerican Express(AMEX)を申込できます。

    申込可能となる条件

    • 日本でアメリカン・エキスプレス(アメックス)クレジットカードを取得してから3ヶ月以上が経過していること
    • カナダ到着後、必要事項が整っていること
      • 本人確認書類:カナダの運転免許証、或いは「パスポート+住所証明書類」
      • カナダの住所、及び住所証明書類(カナダの運転免許証がある場合は不要):銀行のアカウントレポート、光熱費の請求書など
      • カナダの電話番号
      • (SIN(Social Insurance Number:社会保険番号)は必須ではなく、任意事項)

    私の場合、カナダで運転免許証を取得する前にAMEXを申し込んだので、住所証明書類で手間取りました。短期マンションの契約書を提出したのですが承認されず、結局カナダの運転免許証が届いてから再度手続きをすることになりました。尚、再手続きの際は、運転免許証をアップロードしてから9分後に承認のメールを受領しましたので、書類さえ整えば審査にはあまり時間がかからないのかもしれません。

    申し込みの流れとグローバルトランスファーの規定

    カナダのグローバルトランスファーはオンラインからの申し込みのみです(リンクは後述の[獲得ポイントの最大化]をご参照ください)。上述の必要書類を手元に置いて、オンラインで手続きを行います。手続きの際、数ページ進むと「Existing American Express Card Number」欄に日本のクレジットカード番号を入力することが必須ですので見落とさない様にして下さい。

    American Express(AMEX)の申し込み画面のスクリーンショット。Existing American Express Card Numberを記載する部分。
    AMEX申込で数ページ進んだところにある「Existing American Express Card Number」を必ず記入

    尚、グローバルトランスファーは、あくまでカナダでのクレジットカードの申し込みですので、カナダのAmerican Express(AMEX)の規定が適用されます。[こちら]がその内容です。以下に主要項目をまとめましたのでご参考にされて下さい。

    項目内容
    対象カード個人向けConsumerカードのみ(駐在員にはあまり関係ないですが、法人カードは対象外)
    申込方法オンライン申込(電話・郵送不可)
    必要情報既存のアメックスクレジットカード番号、カナダの住所、カナダの電話番号
    注意事項既存カード(日本のアメックス)が有効かつ良好な状態であることが必要。承認は保証されない(100%承認されるという訳ではない)

    カナダではどのAmerican Express(AMEX)に申し込むか

    グローバルトランスファーで申し込めるカナダのクレジットカードは幾つかあります。詳細比較は別記事に譲りますが、私が一枚目に選んだのは Marriott Bonvoy American Express Cardです。

    この判断は今振り返っても大正解で、これまで日本で作ったクレジットカードと比較しても、年会費と比較したメリットの大きさ、コスパの観点で非常に満足度が高いクレジットカードです。特に、「年1回の無料宿泊特典」があり、北米生活では実用性が非常に高いのが魅力です。

    参考記事

    Marriott Bonvoy American Express Cardの概要

    項目内容
    年会費$120
    家族カード無料(最大9枚)
    ポイント種類Marriott Bonvoy ポイント
    ベース還元率2 pt / $1
    Marriottホテル利用時還元率5 pt / $1
    入会プロモーションの例50,000 pt(3か月で$1,500利用)。紹介特典でさらに増額
    Marriott BonvoyステータスSilver Elite(年間$30,000利用でGold Elite)
    無料宿泊特典毎年35,000pt分の無料宿泊
    旅行保険・手荷物遅延
    ・手荷物紛失・盗難
    ・フライト遅延
    ・レンタカー保険
    ・ホテル盗難保険
    ・旅行傷害保険

    参考:カナダ駐在員の視点から

    Marriottホテル
    • Marriottは世界最大のホテルチェーンで、Ritz-Carlton、JW Marriott、Sheraton、Fairfield Inn & Suites など多彩なブランドを有します。世界に9,000軒以上のホテルがあり、そのうち6,000軒超が北米に集中しています。
    • 日本では、リッツカールトン・マリオット・シェラトンは高級ホテルというイメージが強く、日常的に利用する機会は少ないかもしれません。しかし北米に住んでいると、プライベートの旅行でもMarriott系列のホテルを選ぶ機会は少なくありません
    • 例えば私がニューヨークに旅行した際、マンハッタンで最も安い選択肢がMarriott系列の Fairfield でした。
    • 「高級ホテル」だけでなく「中価格帯ホテル」も幅広く展開しており、特に都市部では最安の選択肢になることもあります。

    獲得ポイントの最大化:Marriott Bonvoy American Express Card の紹介プログラムの活用

    カナダの AMEX にも日本同様、既存会員からの「紹介プログラム」があります。これを利用すると、通常申込よりも多くのポイントを獲得できます。

    • 通常申込:Marriott Bonvoy American Express Card を作ると合計50,000ポイント獲得可能。(2026年1月時点。「Canada Marriott Bonvoy American Express Card」で検索して公式ページをご確認ください。)
    • 紹介申込:既存会員からの紹介で合計70,000ポイント獲得可能(2026年1月時点。)。

    カナダでもボーナスの獲得は一定期間に一定金額の利用が必要ですが、ハードルは日本に比べてはるかに低く、通常申込では「3ヶ月以内に1,500ドルの利用」、紹介申込では「3ヶ月以内に3,000ドルの利用」で大丈夫です。私の場合は半年で190,630ポイントに達し(元々はMarriottユーザーでなかったので赴任時はほぼゼロでした)、Ritz-Carltonの宿泊に使いました。機会があればMarriott Bonvoyポイントの使い方についての記事も書いてみたいと思っています。

    紹介プログラムの注意点

    • 紹介プログラムを利用するには、指定の紹介URLから申し込む必要があります。ただし、AMEX の規約により、不特定多数が閲覧可能な環境で紹介URLを公開することは禁止されています。同じカナダ駐在員としての関係性を踏まえ、駐在生活での情報提供や助け合いの一環として、当サイトからの紹介プログラムをご活用いただければと思います。
    • 以下のフォームにメールアドレスを入力してください。個別に紹介URLをお送りします。入力いただいたメールアドレスは紹介URLの送付以外には使用しません。また個人情報保護の観点から、月に一度送受信メールボックスを全削除しています。

      ここまでご覧いただきありがとうございました。以下は、私自身の勉強を兼ねて調べた参考情報ですので、宜しければご一読ください。今後とも Canada Expat Guide をよろしくお願いいたします。

      参考:他の信用情報の引き継ぎ方法

      アメリカン・エキスプレス(アメックス)のグローバルトランスファーは、カード会社独自の仕組みとして「日本での利用実績を海外に橋渡しできる」点が大きな特徴です。これに近い仕組みはVisa・Mastercard等の他社にはほとんど存在しませんが、近年は信用情報機関やフィンテック企業が国際的な信用履歴の共有を試みています。

      • Equifax
        Equifaxは米国を拠点とする信用情報機関で、世界三大信用情報機関のひとつとされます。カナダではその子会社Equifax CanadaがTransUnionと並んで二大信用情報機関です。Equifax Canadaは2024年に「Global Consumer Credit File」という制度をカナダに導入しました。インドなど一部の国の信用情報をカナダに移行できる仕組みです。今後ブラジルやアルゼンチンなどにも拡大予定ですが、日本の信用情報機関とは未連携のため、現時点では我々日本人カナダ駐在員は利用できません。
      • Nova Credit(Credit Passport)
        Nova Creditは米国のフィンテック企業で、インドやメキシコなど複数国の信用情報を「Credit Passport」として翻訳し、現地の金融機関に提供するサービスを米国・カナダで展開しています。American Express(AMEX)やChaseなど一部カード会社が採用している様ですが、現時点では日本は対象外で、我々日本人カナダ駐在員が日本の信用履歴を直接移行することはできません。