カナダ駐在員が知っておきたいガソリン価格の基本とGasBuddyの使い方

カナダのガソリン価格は地域差と日々の変動が大きく、最安値を効率よく探すにはGasBuddyの活用が欠かせません。本記事ではGasBuddyの使い方、主要都市の価格比較、カナダとアメリカの価格推移を分かりやすく紹介し、駐在生活の燃料費を賢く節約する方法をまとめています。

カナダのガソリン価格は、日本よりは安いものの、アメリカよりは高いという位置づけです。2020年以降の平均価格を見るとアメリカより高いことがよく分かります。

カナダとアメリカの平均ガソリン価格推移の表
表1:カナダとアメリカの平均ガソリン価格推移
出典:©2026 GasBuddy.com(https://www.gasbuddy.com)

また、カナダ国内で見ても地域差が大きく、特に石油産業が盛んな アルバータ州のカルガリー は全国的に見て最も安い水準です。次いで オンタリオ州のトロント がアルバータ州に近い水準、そして ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー が最も高い価格帯にあります。

カナダ国内主要都市のガソリン価格推移の表
表2:カナダ国内主要都市のガソリン価格推移
出典:©2026 GasBuddy.com(https://www.gasbuddy.com)

さらに生活実感として強く感じるのは、日本よりも価格変動が大きいことです。昨日と今日で 10 セント/L違うことも珍しくありません。特定のガソリンスタンドが常に安いわけではなく、複数のスタンドが日によって競争力のある価格を出す一方で、同じスタンドが翌日には高値に戻っていることもよくあります。

こうした「地域差」と「日々の変動」が大きいカナダでは、その日の最安値を効率よく探すことが節約の鍵になります。そこで役立つのが、北米で広く使われているガソリン価格比較アプリ GasBuddy です。

カナダでガソリンを入れるなら、まず入れておきたいのが GasBuddy(ガスバディ) というガソリン価格比較アプリです。カナダを含む北米全土で利用されており、その日の最安値を一瞬で探せるのが最大の特徴です。価格はユーザー投稿によって更新されるため、リアルタイム性が高く、実際の生活感覚にかなり近い情報が得られます。

GasBuddyでできること

1. 近くのガソリン価格を一覧で比較できる



現在地周辺のガソリンスタンドが、安い順に並んで表示されます。「今はどこのガスリンスタンドが安いのか?」がすぐに分かり、結果に基づいてガソリンスタンドを選べます。

GasBuddyアプリによるトロント市内のガソリン価格一覧のスクリーンショット。
GasBuddyアプリによるトロント市内のガソリン価格一覧

2. 地図表示で最安値を視覚的に確認できる



地図上に価格が表示されるので、「帰り道の途中で安いところに寄る」といった使い方がしやすいです。

GasBuddyアプリによるトロント中心部のガソリン価格マップ
GasBuddyアプリによるトロント中心部のガソリン価格マップ

3. 価格の更新時間が分かるので信頼性が高い

「◯時間前に更新」と表示されるため、古い情報をつかまされるリスクが低いのも安心ポイントです。

GasBuddyは無料で利用でき、カナダ駐在の生活費削減にとても役立ちます。以下からダウンロードできます。

ここまでご覧いただきありがとうございました。以下は、私自身の勉強を兼ねて記載した考察ですので、宜しければご一読ください。今後とも Canada Expat Guide をよろしくお願いいたします。

考察:なぜバンクーバーだけガソリン価格が突出して高いのか

バンクーバーのガソリン価格が高いのは、単なる物価や一時的な要因ではなく、複数の構造的な要因が重なっているためです。まず決定的なのは供給源の少なさです。バンクーバー周辺にある製油所は Burnaby Refinery の1つだけで、ここが賄えるのは地域需要の約25%に過ぎません。残りの75%は外部依存で、主力はアルバータ州エドモントン周辺の製油所群、補完として米国ワシントン州の製油所が入ります。つまり、バンクーバーは自前で燃料を確保できない都市であり、その分だけロジスティクスコストが価格に上乗せされます。

アルバータ州の製油所はバンクーバーから約820〜850km離れており、長距離パイプラインに依存する以上、メンテナンスや容量制約がそのまま価格に跳ね返ります。また、供給ショックにも極めて弱い構造です。米国西海岸の製油所も供給源ではありますが、ここは北米でもトラブルが多い地域で、カリフォルニア市場の巨大な需要にも引っ張られやすく、BC州はその影響を直接受けます。

地理的な制約も重い要因です。バンクーバーは海と山に囲まれ、燃料輸送ルートが限られ、パイプラインは実質アルバータ州からの1本だけです。鉄道やトラック輸送はコストが高く、海上輸送は天候の影響を受けやすい。こうした“袋小路”の地形が輸送コストを押し上げ、価格の安定を阻みます。

加えて、BC州は長年カナダで最も高い炭素税を課してきた地域で、2025年に撤廃されたものの、過去の価格データにはその影響が残っています。さらに、BC州はカナダで最もEV普及率が高く、EV販売義務や州独自インセンティブ、充電インフラ整備が進んでおり、新車販売に占めるEV比率は全国トップクラスです。結果としてガソリン需要が相対的に低く、需要が弱い市場ではスタンド側が価格を下げて大量販売するインセンティブが働きにくいため、価格が高止まりしやすくなります。

これらの要因が積み重なり、バンクーバーのガソリン価格はカナダの中でも突出して高く、不安定になりやすいと考えられます。