カナダドル送金のコストを見える化|駐在員がWiseを含めて実例で比較
Contents
1. まとめ:カナダ駐在では国際送金が必須。「隠れコスト」も含めた手数料を最も抑えられるのは「Wise」
カナダ駐在生活では国際送金がほぼ必須で、手数料と為替の「隠れコスト」を最も抑えられるのは「Wise」などのオンライン送金サービスです。
- 赴任初期の生活資金や家賃デポジット、駐在中の余剰カナダドルの日本送金、帰国時の資金移動など、海外駐在はどうしても国際送金が発生します。
- 大手銀行は安心感がある一方で為替マージンや中継手数料などのコストが大きく、結果として数万円単位の差が出ることもあります。
- Wiseなどオンライン送金サービスはミッドマーケットレートの採用と透明な手数料体系、オンライン完結の利便性で総コストを抑えられ、多くの駐在員が活用しています。
この記事では、日本円からカナダドルへの100万円送金の例を交えて、各手段のコスト比較、コストのブレイクダウン、そしてWiseの仕組みとお得な紹介情報まで、実務的に使える情報を順を追って解説します。
2. 国際送金の必要性・必要な場面
駐在生活では赴任初期から駐在中、帰国時まで各局面で日本円からカナダドル、カナダドルから日本円の国際送金が発生します。為替コストや為替リスクがあるためなるべく国際送金は避けたい一方で、必要に迫られて送金せざるを得ないのが現実です。
| 場面 | 具体的ケース | 必要性 | 実務ポイント | 実例 |
|---|---|---|---|---|
| 赴任初期の生活資金 (円→ドル) | 家賃デポジット・家具・車の購入などまとまった支出 | 会社融資で賄えない不足分を自己資金で補う必要性 | 会社融資を最大活用。不足分を一括送金して手数料を抑える | 家賃デポジット+車購入で130万円送金 |
| 駐在中の余剰カナダドル (ドル→円) | カナダドル建て給与が余ることがある | 帰国時に一括で国際送金するよりは為替リスクを分散できる | 小分け送金か一括送金かを為替と手数料で比較 | 余剰分を3ヶ月に一度送金(都度判断) |
| 帰国時の日本への送金 (ドル→円) | 帰国に伴いカナダドル資産を日本へ移す | 将来の旅行に必要以上のカナダドルは不要 | 段階的移動やタイミング分散も検討 | 帰国時の総資産移動(ケースバイケース) |
私の場合:赴任時に130万円をWiseで送金
私は赴任時に会社の無金利融資を最大限活用しましたが、加えて130万円を日本からカナダに送金しました。会社の無金利融資は、通常の生活費分に加えて、車購入の追加申請も行い、相当の金額になりましたが、車購入費用に加えて家賃デポジットなどの費用を全額まかなえませんでした。
- 尚、カナダでは家の賃貸に伴い通常1ヶ月程度のデポジットが必要です。加えて家賃は前払いなので、5,000ドルの家賃であれば、赴任直後に10,000ドルが必要になります。
その後は、私は余剰のカナダドルはカナダ国内で運用する方針のため、日本への送金は行っていません。とはいえ、運用資金は帰国時または帰国後に日本へ送金する必要がいずれ生じます。
参考:会社融資は最大限活用すべき
会社から無金利・低金利の融資が受けられる場合はまず最大活用するのが合理的です。 赴任直後の送金回数と手数料を減らせるということもありますが、仮に余るほどの融資金額があれば、カナダドルでGIC(Guaranteed Investment Certificate、日本の定期預金に相当)に預けておくだけでも十分合理的です。カナダでの資産運用(投資)や、各金融機関のGICについては別途記事を書いていますのでご参考にされてください。
3. 国際送金の手段とコスト比較
駐在員が現実的に使う国際送金手段
国際送金手段は大きく「大手銀行(および大手銀行系金融機関)」「オンライン銀行」「オンライン送金サービス(フィンテック)」の三つに分かれます。
| 分類 | 具体例 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 大手銀行(および大手銀行系) | 三菱UFJ、三井住友、SMBC信託(グローバルパス) | 対面サポート・法的確認・大口対応 | 為替上乗せや手数料が高め、手続きが煩雑な場合がある |
| オンライン銀行 | ソニー銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行 | オンラインで手続き完結・外貨口座や優遇 | 銀行寄りの手数料構成 |
| オンライン送金サービス(フィンテック) | Wise、Revolut | ミッドマーケットレートに近い・手数料が低く透明・ 着金額が事前表示 | 大口や法的確認が必要な取引には不向き |
具体的なコストの比較
以下の表は、日本円100万円をカナダに送金する際に想定される手数料です。手数料の構成(為替マージン、送金手数料、中継手数料)の説明は後述します。本記事執筆時点の各銀行の公式情報等を踏まえて作成した概算であり、実際の金額は当日のレートや送金ルートにより変動します。あくまで目安としてご利用ください。
| 金融機関 | 100万円送金時の総コスト(A+B+C) | A 為替マージン | B 送金手数料 | C 中継手数料 |
|---|---|---|---|---|
| 三井住友銀行 | 約19,500円 | 約14,000円 (約1.60円/ドル) | 3,500円 | 約2,000円 (更に高額な場合あり) |
| SMBC信託銀行プレスティア(グローバルパス) | 約15,500円 | 約13,500円 (約1.55円/ドル) | ゼロ(*) | 約2,000円 (更に高額な場合あり) |
| 楽天銀行 | 約18,000 | 約13,000円 (約1.52円/ドル) | 約4,000円 | 約1,000円 |
| Wise | 7,077円 (実績値) | ゼロ | 7,077円 | ゼロ |
*SMBC信託銀行プレスティアは、プレスティアゴールドのステータス保持を前提に送金手数料無料。主要企業の駐在員向け向けにステータス付与のプロモーションをしていると思いますが、私はメリットを見出せなかったので未加入です。
参考:海外送金コストのブレイクダウン
上の表内で、「為替マージン」「送金手数料」「中継手数料」の合計が「総コスト」と記載しています。以下は「国際送金で実際に何にお金がかかるか」をブレイクダウンした参考資料です。手数料と名がつくものではなく、為替マージンが総コストに最も大きく影響する点がポイントです。
| 項目 | 内容 | 影響度 |
|---|---|---|
| 為替マージン | 銀行のレートと市場の仲値(ミドルレート)との差分 | 大 |
| 送金手数料 | 送金を実行する銀行が取る手数料 | 中 |
| 中継手数料 | 送金の途中でお金をつなぐ銀行が取る手数料。送金ルートに応じて複数回必要となることも。 | 中〜大 |
| 受取側手数料 | 受取銀行が着金時に取る手数料(通常は不要) | 小 |
「為替手数料無料」とうたうプロモーションは、たいていの場合「送金手数料」だけが無料になることを指しています。最も影響が大きい為替マージン(為替レート)を確認することが重要です。
また、各銀行が公表する「外貨預金の為替レート」は送金に適用されるレートとは別の「外貨預金」のレートです。Sony Bank WALLETやJAL Global Walletなど、外貨預金を現地で引き出すことができるサービスもありますが、高額の手数料がかかり、国際送金の代替手段としては適していないです。
4. 駐在が決まったらWiseを申し込もう
駐在前の日常生活では「Wise」は聞きなれない会社ですが、代表的なフィンテック(IT金融サービス)企業で、オンライン国際送金の最大手の一社です。駐在してみると大半の駐在員の方が使っており、私も初めての駐在時にWiseのアカウントを作成し、以降何度も使っています。駐在が決まったら、競争力の高いWiseのアカウントをまず開設しましょう。
Wise概要:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | Wise (旧 TransferWise) |
| 本社 | ロンドン |
| 設立 | 2011年 |
| 上場市場 / 時価総額 | ロンドン証券取引所(LSE) / 約9.0Bil GBX |
| ユーザー数 | 約1,560万 人(FY2025) |
| 取引金額規模 | 約1,850億ドル相当(FY2025) |
リファープログラム
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- Wise口座登録リンク
ここまでご覧いただきありがとうございました。以下は、私自身の勉強を兼ねて調べた参考情報ですので、宜しければご一読ください。今後とも Canada Expat Guide をよろしくお願いいたします。
参考:Wiseのビジネスモデル 〜なぜ為替マージンが不要なのか〜
Wiseは、実際の通貨を国際的に移動させる代わりに「各国のローカル口座間で相殺」しています。多数の送金をプラットフォーム上でマッチングし、同一通貨内での受払をまとめて処理することで、実際の外貨売買を減らし、取引回数と手数料を削減して、為替マージンではなく手数料で収益化をしています。結果として、Wiseは透明な手数料を顧客に提示し、その手数料が主な収益源になります。
具体例:
Wiseは利用者Aが日本円をカナダに送金した場合、必ずしも日本からカナダへ国際送金をしているわけではありません。逆にカナダの利用者Bがカナダドルを日本円に送金した取引と「相殺」し、本当に必要な最小限の為替取引だけを行います。


